平成30年分の相続税申告状況 課税対象の被相続人11万6431人
2019/12/24
国税庁がこのほど発表した平成30年分の相続税の申告状況によると、平成30年の1年間における被相続人数(亡くなった人)は136万2470人で、過去最高だった前年分134万397人よりも2万2073人増加した。
相続税の課税対象となった被相続人数は11万6341人。前年分11万1728人より4613人増加している。平成27年1月1日以後の相続等については、平成25年度税制改正により基礎控除額が引き下げられたが、基礎控除が引き下げられる前の平成26年分の課税対象者(5万6239人)と比べると、平成30年分は6万102人も増えていることが分かる。平成30年分の課税割合は8.5%(前年分8.3%)。なお、平成26年分の課税割合は4.4%だった。
平成30年分の課税価格の合計は16兆2360億円で、前年分(15兆5884億円)よりも6476億円の増加。税額は2兆1087億円で、こちらも前年分(2兆185億円)から902億円の増加となった。
被相続人1人当たりの課税価格は1億3956万円、1人当たりの税額は1813万円だった。1人当たりの税額は、平成26年分の2473万円よりも減少しているが、これは基礎控除額が引き下げられたことで、相続財産額が比較的少ない層が課税対象に含まれたことが要因と考えられる。
相続財産の金額の構成比を見てみると、「土地」35.1%、「現金・預貯金等」32.3%、「有価証券」16.0%、「家屋」5.3%、「その他」11.3%となっている。昨年とほぼ同じ割合だが、過去10年間の推移を見ると、「現金・預貯金等」の割合が年々微増している。
東京・大阪・名古屋の各国税局の平成30年分の申告状況を見ると、東京局管内における相続税の課税対象者は3万6782人(前年分3万4962人)、課税割合は13.6%(同13.2%)、税額は9262億円(同8705億円)だった。
大阪局管内の課税対象者は1万9021人(同1万8322人)、課税割合は8.9%(同8.7%)、税額は3510億円(同3516億円)。名古屋局管内の課税対象者は1万7480人(同1万6694人)、課税割合は11.3%(同11.0%)、税額は2675億円(同2434億円)となっている。